岩手県滝沢村・ボードゲーム関連の話題
by kubota_ya
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フォーラム@nifty終了の1周年を記念して(笑)
フォーラム@niftyが終了し1年が経ちました。ちょうどよい頃合いだと思いますので^^
ゲーム研究家の草場純さんが“FGAMEでしか読めないよ”ということでトランプゲームの創作秘話を書かれていたログの一部をローカルに保存していおいたので、ご本人には無断で(笑)転載していきたいと思います。#ご御本人から苦情が来たらやめます(^^;
→転載の件、快諾をいただきました。どうもありがとうございます。


私の創ったゲーム

 民話に著作者はいません。
 民謡に作曲者はいません。
 民芸に創作者はいません。
 民舞に振付師はいません。
 それらは、自然発生的にできるものです。
 多くのトランプゲームもその作者は知られません。しかし作者の知られる作品より、民話や民謡が劣っているでしょうか。もちろんそんなことはありません。だから、私も名前を明らかにしたいとは思いませんでした。

 私は、たくさんのゲームを創作したり改作したりしました。しかしそれを今までは、なるべく公表しないようにしてきました。それは面白いかどうか自分なりに確信が持てなかったのと、もし面白ければ人知れず残るだろうし、全ての民話の作者が多分そうであるように、それで満足だと思ったからです。
 しかし、ここFGAMEだけで、私は自らの作法を公開しようと思いました。それは、そんな価値があるかないかはともかく、後世の研究者がもし興味を持ったときに、その資料を提供する意義があると思ったからです。なぜなら、私は一ゲーム研究者として、この世界において一次資料の乏しいことに、大変苦労させられているからです。私は、たとえつまらないものであるにせよ、私の創ったゲームの最も適格な一次資料提供者でしょう。だから恥を忍んで書くことにしたのです。

    口開けて はらわた見せる 石榴かな

 私は100種類ほどゲームを創ったり改作したりしました。そのうちで以下にその創作秘話(笑)を明らかにするゲームのリストを挙げます。
 まずはトランプゲームに限定しましょう。

  パリティ
  スリートリックス
  九点半
  ジャパニーズ・ルー
  フォーティーワン(41)
  セカンド

 ほかにも、イチ、テネシー、ファウンデーションなどたくさんありますが、そちらは気が向いたら発表します。

 柏木では毎週水曜日の午後7時からトランプ・タロット・ドミノのゲーム講座をします。早速明日からです。これはもう少し専門的な、たとえばスカートやタロットのゲームを覚えたい人のためのものです。でもここは違います。ここはむしろゲームを創ってみたい人とか、ゲームを違う側面から味わってみたい人のために書くのです。もちろんゲームをやってみることが前提なので、プレーされることは大歓迎なのですし、やってほしいのですが、普通は読めない「どうやって作ったのか」「何を意図して作ったのか」が読めるコーナーにするつもりです。それを私は初めて試みるのです。

 私は、ゲームを遊ぶ→ゲームを教える→仲間を作る→ゲーム会を組織する という流れと平行して ゲームを遊ぶ→ゲームを味わう という流れがあると思います。
 さらに、→ゲームを評価する→ゲームを作る、となる人もいます。これらはゲーム文化の成熟度に伴って進みます。ともにゲームを違った側面からも、噛みしめていきましょう。

(ゲームフォーラム@nifty:草場純さんの発言ログより転載)



その、草場純さんが執筆された

夢中になる!トランプの本」他にも面白いトランプゲームが満載で絶賛^^発売中です。
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by kubota_ya | 2008-07-01 00:00 | ボードゲーム・コミュニティ
41(フォーティワン)

41(フォーティワン)

41は二人ゲームです。
トランプ1組を使います。
1ゲームは4ディールからなっています。
初めに適当に最初のディーラーを決めます。
あとは交互にやります。結局互いに2回ずつ
ディールする勘定になります。

カードの意味を説明します。
Aは1です。
2から10は、数字どおりです。
Jは-1です。
Qは0です。
Kは鏡で直前に出たカードと同じとみなします。

ゲームの最終目的はチップを相手より多く稼ぐことです。
ゲームの概要はクリビッジです。ノイ、と言っても
よいし、101でも、オノ99でもいいです。トランプに29というあまり知られていないゲームがありますが、それと同じようです。51や31というゲームとは無関係です。
要するに出されたカードの数値を足していって41を越えないようにする、というのが当面のゲームの目的です。

配り方を説明します。
初めにディーラーになった人は、よくカードを切り混ぜて1枚ずつ相手から初めて互いに6枚になるまで配ります。次に1枚を表にして場に置きます。これをスターターと呼びます。スターターがAなら、その瞬間にディーラーは1チップをかくとくします。
ディーラーの相手(ノンディーラー)は、6枚の手札から1枚を出して、スターターとの合計数を口に出して言います。例えばスターターが6で、8を出したら「14」と言うのです。次にディーラーが6枚の手札から1枚を出し、合計数を言います。
このように互いに1枚ずつ出して、合計数を言うのですが、合計が1,11,21,31 になるように出せば1チップを獲得します。ちょうど41になるように出せば2チップ獲得します。例えば相手が41と言って2チップ獲得した後にQを出せばまた41ですから2チップ獲得できます。その直後にKを出せばそれも0とみなしますから、また2チップ獲得できます。
どのカードを出しても41を越えてしまうときや、手札がないのに順番が回ってきたときはパスをします。パスをすると相手が1チップ獲得します。互いにパスをしたら、そのディールは終了で、今の13枚のカードはすべて捨てて、ディーラーを変えて残った山札を切り混ぜないでまた6枚ずつとスターターを配り、ノンディーラーからプレーをします。
こうして52枚使い切ったときにより多くチップを獲得していたプレーヤーの勝ちになります。

補足
1つのディールはパス・パスで終了しますが、この最後のパスでは相手はチップをもらえません。
チップは中央の横手にストックしておいてそこから取ってきます。プレーヤーどうしでやり取りすることはありません。

41の補足の補足をします。
スターターにKが出た場合はどうなるかと言うと、次のカードが出たこととします。
たとえば、スターターがKでノンディーラーがまたKを出したら、次にディーラーは7を出して「21」と宣言して1チップ得ることができます。
(777と出たと考える)

もうひとつ41の補足をします。
スターターがJだった場合は-1から始まりますが、
チップは獲得できません。
合計が1,11,21,31のときは1チップ、
41のときは2チップ獲得し、それ以外の数のときは
獲得できないのです。だからスターターがJなのに
対し2を出せば,合計が1なので1チップ獲得できます。

なお、相手がパスをしたら1チップ獲得します。
このゲームは、必ず「パス」「パス」でディールが
終了しますが、2度連続の後のパスに対しては
チップは貰えません。そこでディールが終了と
なるだけです。

予定では九点半を書くことにしていましたが、九点半はまだここでルールの説明をしていないので、すでに説明の終わっているフォーティーワンを先にします。

 フォーティーワンは多分20世紀の最後頃に創ったゲームだと思いますが、はっきりしません。そのうち調べておきます。

 これの発想の元はクリビッジです。クリビッジより簡単で、それなりに楽しめる二人ゲームを作りたかったのです。後から考えると、スナッホイという古い市販カードゲームと少し似ていますが、発想したときは頭に浮かびませんでした。もっとも潜在的な影響はあるかも。
 クリビッジにはいろいろ不満がありました。ルールは面倒です。クリッブを捨てるのもなんだかなあ。スターターはヒッズノッブとヒズヒール以外無意味です。終わり方、つまりゴーの扱いもピンと着ません。
 そこで、手札を6枚にしてスターターから足し始めたらどうでしょう。すっきりします。そこで素晴らしいことに気づきました。こうすると1ディールで13枚ずつ消費するので、4ディールで、52枚のカードがきれいになくなるのです。これはいい。私は、ゼロのカードを56枚に思い定めたライナー・クニツィアのようにニンマリしました。(一部想像でお送りしております。)
 クリビッジでのフィフティーンだけを得点の対象にしました。1,11,21,31,41,51などに達したら得点するのです。ゲームの短期目標がはっきりしますね。問題はゴーです。トランプから絵札を除けば数値のトータルは220です。これを4で割れば55です。すると50リミットだとゴーになりにくいし、30リミットだとすぐゴーになってしまいます。そこで41としました。自分でテストプレーしてみました。なかなかよさそうです。
 絵札はJはマイナス1としました。11からの連想で、これは覚えやすいでしょう。Qは0です。これも形からの連想で覚えやすいでしょう。KはKagamiと綴れば鏡を連想しますね。実質的にフォーティーワンの成功の鍵はこのKの扱いによります。ですが、これは直前に赤桐さんから教わったゲームからのアイディアの借用です。私は運がよかったのです。
 1,11,21,31に達したら1点、41だけ2点としました。これも説得力がありますよね。それから相手がパスしたら1点。これも最初はチップを渡してパスの意思表示と重ねたのですが、ややこしいので、ポットから取る方式にしました。
 ディーラーがスターターにAをめくるとすぐ1点取れるのも、クリビッジでJをめくったときのようでいいですね。
 こうしてフォーティーワンは完成しました。二人用のお手軽ゲームと、ニッツェをふさいだので私はとても気に入っています。

(ゲームフォーラム@nifty:草場純さんの発言ログより転載

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by kubota_ya | 2008-06-30 00:00 | ボードゲーム・レビュー
パリティ

パリティ

 パリティを紹介します。
 説明が面倒なので、今後、読み手は「トリックテーキング」とか「マストフォロー」(フォローの義務)ということは理解しているとして、説明することにします。分からない人は質問してください。

 トランプ一組を使います。
 人数は3人から7人ぐらいまでできますが、ここでは4人として説明します。4~6人が一番面白いと思います。
 まず最初のディーラーを決めます。以後ディーラーはディールごとに左隣へ移り、1周したら1ゲームです。つまり4人なら4ディールで終了し、得点合計の最も多い人が、最終的な勝者となります。

 ディーラーは全部のカードを配ります。4人なら13枚ずつですが、他の人数のときはできるだけ均等に配って、あまったカードは公開します。
 ディーラーの左隣が最初のリードをして、4人なら13トリックの普通のトリックテイキングプレーをします。切り札はありません。

 採点は、以下のようになります。
  0トリック取った・・・±0点
  1トリック取った・・・-1点
  2トリック取った・・・+2点
  3トリック取った・・・-3点
  4トリック取った・・・+4点
  5トリック取った・・・-5点
  6トリック取った・・・+6点
  7トリック取った・・・-7点
  8トリック取った・・・+8点
  9トリック取った・・・-9点
  10トリック取った・・・+10点
  11トリック取った・・・-11点
  12トリック取った・・・+12点
  13トリック取った・・・-13点

 要するに偶数トリックとればそれだけプラス、奇数トリック取ればそれだけマイナスになるという仕組みです。

パリティは1990年3月21日水曜日の昼ごろ思いつきました。
 発想のもとは、オーヘルです。オーヘルはジャングルブリッジとか、ブラックアウトとか、オーショウ、オーウェルなどと呼ばれるフェアリーゲームの元祖です。このゲームは、デビット・パーラットによると、1937年にゲーム研究科のジョフリー・モットスミスによって考案されたそうです。
 市販のカードゲームに「ゴー・フォー・ザ゛ゴールド」「金メダルへの道」というのがあって、「オリンピックゲーム」などと通称されています。これの元になったのがオーヘルと思われます。要は、トリックテイキングなのですが、配られた段階で獲得するトリック数を予告し、正確にそのとおり取ることが目的となります。このゲームの良いところは、良い手とか悪い手というものがないことで、AやKに恵まれた手なら多く、2や3ばかりの手なら少なく予告すればいいのです。もっとも予告しやすい手と、しにくい手とが存在するのは確かですが。
 パーラットのナインティナインは、この予告を暗号にした改良がメインのアイディアの一つになっています。もちろん、この名作ゲームはそれだけのアイディアにはとどまりませんが。
 ところがオーヘルは、一度失敗してしまうと取り返すすべがありません。13中3と予告して、4トリック取った瞬間にもうやることがなくなります。そこで目的を多様化できないか、と考えたところで偶数・奇数で得点をプラスとマイナスと交互にするアイディアが浮かびました。と同時にパリティというネーミングも浮かびました。いやむしろネーミングが先で、それから発想したルールかも知れません。
 パリティとは偶奇性ということです。正三角形は鏡に写しても正三角形です。これを「パリティが偶」と言います。直角三角形は鏡に写すと左右が反転します。これを「パリティが奇」といいます。直角三角形を鏡に写したのをまた鏡に写すと、元の直角三角形に戻ります。もし鏡を奇数枚ならべれば裏返し、偶数枚ならべれば表返しになります。これをプラス・マイナスに対応させれば、ゲームは完成です。つまり、「パリティが奇なゲーム」を創ったのですね。
 出来上がったゲームは大変評判の良いものでした。トリックを取れば取るほど、ハイリスク・ハイリターンになってドキドキします。互いの取るトリックが相互に影響しあって、不思議な因果関係を作ります。意地悪もできますが、その関係は直接的ではありません。名作のような気が、自分ではしています。

(ゲームフォーラム@nifty:草場純さんの発言ログより転載

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by kubota_ya | 2008-06-30 00:00 | ボードゲーム・レビュー
スリートリックス

スリートリックス

 最近、新宿の柏木でよくプレーされているトランプゲームの、スリートリックスを紹介します。
トリックテーキングゲームですが、トリックテーキングの入門としていいかも知れません。簡単なルールで手軽で面白いと思います。

 4人限定ゲームです。
 使用するカードは52枚の普通のトランプ1パックです。
 最初のディーラーは適当に決めます。以後時計回りに左隣へ交代し、4人がディーラーを勤めたら終了です。つまり4ディールで1ゲームです。
ディーラーは一人13枚になるように全てのカードを配ります。
プレーはディーラーの左隣からです。
 ディーラーの左隣は手札から1枚出します。
 そうしたら時計回りの順に、出された(リードされた)カードと同じスート(マーク)のカードを出していきます。これは義務で、わざとほかのスートのカードを出すのは反則です。(同じスートのカードが手札にない場合に限って、ほかのスートのカードを出す。これを捨て札という。)
4枚出揃ったら、リードされたスートの中で最も強いカードを出した人が勝ちます。勝った人は4枚のカードを一まとめにして手元に置き(これを「1トリック勝った」と言う。)、次のリードをします。なお捨て札は絶対にトリックに勝ちません。またこのゲームでは切り札はありません。(ノートランプ)
 このようにして13トリック行います。
 カードの強さは、強い順に、A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2 となります。
 13トリック終わったら採点します。

0トリック勝ったら・・・-3点      (-5点)
1トリック勝ったら・・・+1点
2トリック勝ったら・・・+4点
3トリック勝ったら・・・+9点
4トリック勝ったら・・・-4点
5トリック勝ったら・・・-5点
6トリック勝ったら・・・-6点
7トリック勝ったら・・・-7点
8トリック勝ったら・・・-8点
9トリック勝ったら・・・-9点
10トリック勝ったら・・・-10点
11トリック勝ったら・・・-11点
12トリック勝ったら・・・-12点
13トリック勝ったら・・・-13点

 こうして4ディールやって合計点で、最終順位をつけます。
なお、0トリック勝ったとき、つまり1トリックも勝てないときに-3点ではなく-5点にするのが柏木方式で、この方がゲームバランスがいいので、おすすめです。

 このゲームは1991年に考案したとなっています。私の作品の中でも、セカンドについで気に入っているゲームです。手軽で面白いので、私が言うのもなんですが、お薦めです。

 このゲームは、ポイント、マイトランプ、セイムデュース、ハイロウブリッジなどとともに十把一絡げで考えたものです。でも結局成功したのはこれだけのようです。

 ルールは別のところにあるので、省略して、発想の元だけを語ります。
 と、言っても実は簡単です。ブリッジで言うところの4333のディストリビューションが、発想の全てです。4人で13枚ずつの手札なら、3トリックまでをプラス点4トリック以上をマイナス点にすれば、必ず誰か一人はマイナスになるので面白かろうと思いました。4トリック以上の点は即座に決まりました。そのままマイナスにするなら覚えるのも簡単です。スリートリックスという名称も即座に決まりました。当然3トリックを目指すゲームです。プラスの点は自乗にしました。1,4,9というのも覚えやすいでしょう。0トリックで逃げられてはつまらないので、マイナスにします。当然存在しないマイナス点の最大の-3点としました。
 出来上がるとその美しさに一人でほくそえみました。ところが今当時の記録を見ると、右隣に2枚回してから始めるとなっていました。でもこれも面白いかも。強い手は弱く、弱い手は強くなりそうなので、公平かも知れません。また、配るのに先立ってカードを1枚表にして切り札を決めても良いかも知れないとも、書いてありました。これをやってみても面白いかも知れません。でもそうなら、初めから切り札はスペードなどと決めておいても、いいかも知れませんね

(ゲームフォーラム@nifty:草場純さんの発言ログより転載

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by kubota_ya | 2008-06-30 00:00 | ボードゲーム・レビュー
九点半

九点半

 九点半のルール説明から始めます。

 人数は3人からできることはできますが、面白いのは6人から10人ぐらいまでです。カードを二組使えばもっと多人数でもできます。

 使用カードは1パック52枚です。ジョーカーは使いません。

 あとはチップが必要です。ただしこのゲームは、チップの大きく動くゲームではないので、一人30から50チップ持ちで十分でしょう。もちろん全員同数のチップを持ちます。
 ただし、このゲームは一人のディーラーと残りのプレーヤー全員との勝負になります。ですからディーラーは、もう少し多めに持った方がいいかも知れません。また回り胴=順繰りに全員がディーラーを勤める という場合は、全員が少し多めの方が安全でしょう。
 このゲームは、1ディールに一人につき2チップしか動かないことも、よくあります。

 カードの数値を説明します。
 Aは1で、2から10は数字どおりです。J,Q,Kはそれぞれ0.5です。この絵札が半点というところが、一つのポイントです。

 ゲームはブラックジャックに似ています。七点半というゲームを知っていたら、それがもっと似ています。ただしブラックジャックや七点半と違って、このゲームではディーラーの判断がとても重要です。ディーラーが最も面白いし、儲かるときは儲かるので、パーマネントディーラー(固定の親)ではなく、回り胴をお薦めします。その際、3ディールやったら交代、のように決めればいいでしょう。

 長くなるので、次回(その2)に続けます。

まず、ディーラーを決めます。その1でも述べたように、このゲームはディーラーとプレーヤー一人一人との勝負となります。そうしたら、リミットを決めます。リミットはディーラーが決めますが、普通はアンティ1に対し、リミットは10ぐらいがいいと思います。ここではリミット10として説明します。リミットはディーラーが変わらない限り変わりません。つまりディールごとに変えたりしてはいけません。
 まずディーラーがカードをよくシャッフルして、右隣のプレーヤーにカットをしてもらいます。そうしたら、全員がアンティを出します。アンティは1チップですが、あえて2とか3を出してもいいです。3を越えて出すことはできませんし、アンティを余計出してもリミットが変わるわけではありません。厳密には、アンティもディーラーの左隣から順番に一人ずつ出していきますが、他人の行動が自分の勝敗に影響を及ぼさないので、あまり気にしなくてもいいです。なおいわゆる「見」が認められるので、アンティを出さないという選択肢もあります。その場合、そのプレーヤーには、次に述べるディールはされません。
 全員アンティを出したら、ディーラーは左隣から1枚ずつカードを伏せて配り、自分には1枚表にして配ります。アンティの出ていないところには配りません。(自分の表のカードが10なら終了:後述)
 そうしたら、ディーラーは左隣のプレーヤーから一人一人順に「ヒット」か「ステイ」かを聞いていきます。例えばディーラーの左隣のプレーヤーが「ステイ」と言ったとします。その場合、ディーラーはもうそのプレーヤーにはカードは配らず、次のプレーヤーに「ヒット」か「ステイ」か聞きます。つまり最初のプレーヤーは、伏せられた1枚だけで勝負をすることになるわけです。
 二番目のプレーヤーが「ヒット」と言ったとします。そうしたらディーラーは、1枚表にしてそのプレーヤーに与えます。もしそれが9か10だったら、もうそれ以上カードは与えず、そのまた次のプレーヤーに「ヒット」か「ステイ」か聞きます。しかし8以下や絵札だった場合は、同じプレーヤー(この場合は二番目のプレーヤー)に「ヒット」か「ステイ」か聞きます。こうして、プレーヤーが「ステイ」を言うまで、カードを表にして与えますが、表のカードの合計が9以上になったら、強制的にステイとなります。
 このようにして、時計回りに全員のプレーヤーに「ヒット」か「ステイ」か聞き終わったら、ベットになります。ディーラー自身にはまだカードは配りません。その時点ではディーラーのカードは表になった1枚だけです。では、ベットの仕方を説明します。
 ディーラーの左隣のプレーヤーから順に一人ずつ1~10の範囲内で賭けていきます。最低でも1は賭けなければならないので、少なくとも2チップ勝負となります。もしアンティを2ないし3出していたとしても、ここで1チップは加える必要があります。たとえバーストしていても、必ず1は出します。またリミットは10ですので、もしリミットいっぱい出すと、アンテイが1なら11チップとなります。もしアンティに3出していたら13の勝負で、これが1回にできる最大の勝負の枚数になります。つまり動くチップはそんなに大きくならないのです。ただし、倍付けの役があるので、正確な最大は26チップです。
 ディーラーの右隣まで全員賭けたら、いよいよ勝負です。ここでディーラーは自分自身に表にしてカードを配ることができます。それから勝負に入りますが、その前に手札の強弱を述べましょう。

 最高は合計9.5で、プレーヤーの場合、これを特にナチュラルと呼びます。後は数が少ないほど弱く、最低は0.5です。ところが、合計10以上はさらに弱く、これをバーストと呼びます。10以上ならいくつでも最弱で、バーストどうしに強弱はありません。
 このゲームには、役が二つあります。一つは今のナチュラルで、もう一つはジャックテンです。ジャックテンというのは、Jと10の組み合わせで、来る順番は逆でもかまいません。ナチュラルは何枚でも合計が九点半になれば、ナチュラルですが、ジャックテンは2枚だけの役です。またジャックテンは合計10.5になりますが、この場合だけ例外的にバーストにはなりません。もちろんQと10や、10とKの場合は全てバーストです。なお役はプレーヤーだけにあり、ディーラーの9.5はただの9.5ですし、ジャックテンはバーストです。

 まだ長いので、次に続けます。その3で終わりにします。
次に、ハンドの強弱について、重要な原則を述べます。このゲームでは「タイは全てディーラーが負ける」のです。引き分けはなく、引き分けの状態になったらプレーヤーが勝ちます。例えばディーラーもプレーヤーもバーストなら、プレーヤーが勝ちます。また役もプレーヤーにしかないので、ディーラーはこの面ではとても不利にできているのです。

 さて、プレーの進行に戻りましょう。
 まず、プレーヤーがアンティを出しました。次にディーラーが全員に伏せて1枚ずつ、自分には1枚表にして配りました。これがもし10ならどうなるでしょう。もちろんディーラーはバーストです。タイはプレーヤーの勝ちですので、この瞬間プレーヤーの勝ちは決定します。そこでこの場合だけ例外的にそれ以降のベットはなく、ディーラーはプレーヤー全員にそのアンティだけ払ってディールが終了します。プレーヤーが2ないし3のアンティを出す意味はここにあります。つまりディーラーが次に10を引きそうな気がしたら(笑)、アンティに3を出せばいいのです。
 ディーラーのオープンカードが10でなければ、ヒットorステイをしていきます。一巡した後で、プレーヤーは必ず1~10の範囲でチップを出します。
 さてその後です。ディーラーはプレーヤーの過半数と勝負をしなければなりません。プレーヤーが8人なら4人と、7人なら3人と勝負する義務があります。勝負の前に自分のために、バーストしない限り何枚でもカードを引くことができます。勝負は好きな段階でできます。しかし引いて勝負なしはできません。8人中4人と勝負したら義務は解除ですが、その後カードを引いたら、少なくとも一人とは勝負をしなければなりません。
 勝負は数字が九点半を超えずに九点半に近いほうが勝ちです。もちろん7と7のように、同数ならプレーヤーの勝ちです。ディーラーが勝ったらベットしたチップはアンティを含めてディーラーに取られます。プレーヤーが勝ったら、アンティを含めてベットしただけがディーラーから貰えます。この場合、プレーヤーにナチュラルまたはジャックテンの役ができていれば、ディーラーは倍払います。
 ディーラーが勝負を避けたプレーヤーとは、チップのやり取りはありません。これは引き分けと言えば引き分けですね。

 このゲームの妙味は、ディーラーが勝負する相手を選ぶという一点に尽きます。プレーヤーはベットによって、ディーラーの読みをはずすのです。
 この感覚は他のゲームにはないと思います。ブラックジャックよりはポーカーに近いですが、ポーカーともまた違います。上手なディーラーが勝ちます。
九点半は、花札のオイチョカブのバリエーションから考えました。ベースになったのは、七点半です。七点半は日本ではあまりやられないゲームで、そんなに面白いものではありません。でも絵札が0.5というのは、すぐにバーストするブラックジャックより長く楽しめていいルールと思いました。すると七点半は半端です。これを九点半にすれば、1枚でバーストするカードは10だけになります。13回に1回の不運は手ごろです。しかし最初に10を引くといきなりバーストという弱点もあります。この10という弱点を補うために、役をつけることにしたのです。ジャックテンは洒落ですが、みんなには内緒にしてください。
 株札を見ると、これでオイチョカブをやるかと思うでしょうが違います。株札でやるのは京カブです。オイチョカブは花札でやるのが正式です。で、オイチョカブのローカルルールに、親が勝負する相手を選べるというのが、あります。これはすごく面白いルールです。それでこれを取り入れました。
 と言うより、このルールを実現するベースとして、七点半を改良したのです。
 初めは日本のブラックジャックのように、いろいろな役を付けました。実はその路線もそれなりに面白いのですが、親の選択という側面に絞りたかったので、ナチュラルとジャックテンの二つに限定しました。

九点半にはほかのゲームにはあまりないテクニックがあります。基本的には強い手の時には弱いような顔をし、弱い手の時には強いような顔をするのですが、実際には顔の代わりにチップを使わなければならないので、簡単ではありません。ポーカーのブラフに似てなくもないですが、微妙に違います。私の目から見ると、みんなチップではブラフをするのですが、もっとカードでするべきです。例えば、バックカード(伏せられた自分の手札)が3で1枚ヒットしたらJだった場合、3.5では勝負にならないとヒットする人が多いのですが、ここでステイする手もあります。ディーラーから見えるのはJだけですから、ジャックテンの可能性を考えると、けっこう怖いです。

(ゲームフォーラム@nifty:草場純さんの発言ログより転載

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by kubota_ya | 2008-06-30 00:00 | ボードゲーム・レビュー
ジャパニーズルー

ジャパニーズルー

 ジャパニーズルーも、イギリスのルーと日本の八八の出下りを結びつけたゲームです。
 まずルールですが、人数は6人以上は必要です。できたら8人ぐらいの方が面白いとおもいます。10人までできます。
 使うのはトランプ1組52枚です。チップがいります。白一人20枚、赤一人10枚、青一人3枚程度がいいでしょう。白1に対し、赤は5、青は10の価値です。一人100チップ持ちということですね。
 これは切り札のあるトリックテーキングゲームで、ランクは至って普通のAKQJ1098765432の順です。
 まずディーラーを決めます。ディーラーは時計回りに左へ左へと変わっていきます。ディーラーが一巡あるいは二巡したらゲーム終了で、チップをより多く稼いだ人の勝ちです。
 ディーラーはまず場に5チップ払い、一人一枚ずつ5周、一人の手札が5枚になるように配ります。そして一枚を場に開けて出します。これが切り札スートを決定します。その表示札はこのディールでは使いません。切り札を決めるだけです。
 そうしたら各自手札を見て、ディーラーの左隣から順に「出る」か「下りる」か言っていきます。出ると言った人はプレーに参加し、下りると言った人は場に5チップ払って手札を伏せて捨て、そのディールは見物人となります。こうしてディーラーまで出下りを決定したら、ディーラーの左隣の人がリードして、5トリックのプレーを開始します。なおディーラーの右まで全員が下りたら、チップはディーラーの総取りです。いやディーラーに限らず、一人を除いてみな下りたら、残った一人がポットを全て取るのです。
 二人以上が出れば、プレーに入ります。最初のリードはディーラーの左隣がしますが、ディーラーの左隣が下りている場合は、さらにその左隣がリードをします。その人も下りていれば、さらに左隣がリードをします。以下同様です。
 プレーは通常のトリックテーキングプレーの通りですが、プレーヤーは1トリック獲得するごとにポットのチップの5分の1を手に入れます。そして次のリードをします。5トリック終わったとき、出てプレーしたのに1トリックも勝っていないプレーヤーは、「ルー」と呼ばれ、罰として場(次のポット)に10チップ出します。
 最終ディールでルーが出たら、例外的に延長戦をします。次のディーラーは場に5チップ出さずに配り、全員が出ます。そしてその回はルーの罰点がありません。つまり延長戦は、前回残ったチップの争奪をするためだけのものです。

ルーは、オリジナルなアイディアはないのですが、日本とイギリスのアイディアの幸せな出会いと自賛しています。参加するのにアンティを払うというのは向こうの自然な感覚でしょうが、下り賃という発想はなかったと思われます。日本の八八は、つまらない手で出ると火傷を負うので相対的に安いチップを払って下りるわけです。これとランタルーの、罰則を組み合わせたのは、偶然とは言え秀逸なアイディアになったと思っています。

(ゲームフォーラム@nifty:草場純さんの発言ログより転載

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by kubota_ya | 2008-06-30 00:00 | ボードゲーム・レビュー
草場純さん、ゲームフォーラム@niftyに復活。
「こだわり会館」古い遊び2千年前の心にふれて(asahi.com:be/2004.612)

こちら(↑)の記事で紹介され、またこのブログでゲームの紹介記事を書くにあたり
たいへんお世話になっている草場純さんが@niftyのゲームフォーラム(FCGAME)
「アナログゲーム」のカテゴリーでフォーラムへのアクセスを再開されました。

追記)@niftyパソコン通信サービスの終了により草場さんはフォーラムへの
アクセスを終了しました。現在、ネット方面はmixiでご活躍中です。

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by kubota_ya | 2005-10-09 00:00 | ボードゲーム・コミュニティ